カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

熊本電鉄

熊本電鉄というのは私の中でいわゆる「謎」な鉄道でした。
藤崎宮前熊本市街の北はずれにあり、市電とも連絡しておらず完全に孤立していますし、
昭和61年に御代志~菊池が廃止され、熊本-菊池の連絡機能を失ってしまっています。
こういう地方都市の鉄道がこのような状況になってしまうと、早晩全線廃止は免れませんが、
この鉄道は以降27年も生き残っています。
稀有な存在だと思うわけです。


8月10日、市電の通町筋電停を下車し藤崎宮前駅に向かいました。歩いて10分はかからなかったと思います。駅の表示が小さくて駅ビルの陰に隠れるような感じでしたので一瞬迷いました。
駅は1面2線の頭端式。1線増設できるようになっています。

イメージ 1

イメージ 2


列車は都営三田線で使われていた6000系の2両編成。ヘンな形のスカートが付き、都営時代とは表情が変わっています。
到着した列車からは30人ほどの下車がありました。

イメージ 3


藤崎宮前を出ると、かの有名な併用軌道区間を通ります。道路の中央を通るのではなく、家の軒先をかすめるように端っこに線路が引かれています。
高床式の車両が路面を走行する風景って今となってはとても珍しいですよね。

イメージ 4

イメージ 5


このまま御代志まで乗りとおしました。
御代志駅は1面1線のもっともシンプルな終着駅ですが、ホームの形を見ると元々は行き違いのできる駅だったことがわかります。
現在、線路のない方は舗装され、バス停になっています。
電車とバスの乗り換えが同一平面で可能ですので、結構便利です。私の乗ってきた列車からも数人乗り換えている人がいました。
ただ、駅の周りは新興住宅地という感じで求心性があるようには思えませんし、バス自体もそれほど本数があるわけではないのでどこまで機能しているのかよくわかりません。

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8


折り返して北熊本で下車し上熊本行に乗り換えました。
車両はあの東急の名車5000系青ガエルの生き残りです。全国の私鉄に譲渡された青ガエルですが、現在まで生き残っているのはここだけ。両運転台型になるなど改造の手は入っていますが、独特の丸みを帯びた車体は健在です。

イメージ 9

イメージ 10

イメージ 11


どういうつながりがあるのかよくわかりませんが、ケロロ軍曹のラッピングが施されています。
車内アナウンスもケロロ軍曹仕様になっています。
「青ガエル」だから…ですか、ね?

イメージ 12

イメージ 13



北熊本で巧みに接続をとり、全線で30分ヘッドを確保しているのは立派です。
また、休日の日中でも20~30人/本程度の利用はあるみたいですので、そこそこ利用はあるようです。
ただ、何かしらの活性化策が必要なのは言うまでもありません。実際のところ鉄道廃止、BRT化を本気で検討した時期もあったみたいですので、早急な対策が必要です。

スピードアップやバスとの連携強化などいろいろ考えるべきことはあるとは思いますが、
抜本的には熊本中心部へのアクセスをどうにかする以外にありません。
藤崎宮前水道町を軌道でつなぐという案が検討されているようですが、軌間が違うのでハードルが高そうです。熊本電鉄側を改軌することになるのだと思いますが。
そこをクリアできれば、LRT化が可能になります。とりあえずは上熊本で線路をつなぐ方が楽そうなので、少々迂回にはなりますがまずはそれを持って中心部への直通を確保すればよいと思います。
そして、最終的には藤崎宮前水道町もつないで環状運転を実施。
スピードアップと増発を実施し、御代志駅をバスターミナルとして整備。熊本北部諸都市を御代志乗り換えで都心へつなぐ幹の役割を持たせれば生きると思います。

せっかく生き残ったのですから、交通体系のなかでうまく位置付けし、生かせるようになれば良いと思いました。


↓よろしければクリックをお願いします。ささやかな励みになりますので。
http://widget.blogram.jp/images/bgButton1_whi.gif
blogramランキング参加中! ←クリックはこちら。