カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

訪城記 ~大洲城~ 【2010.5.1】

伊予大洲駅から歩き出すこと約10分強。肱川に架かる橋に差し掛かると対岸に大洲城を望むことができます。
肱川の川辺に接した小山の上に真新しい4層の天守閣。今までは、櫓数棟が残るだけの地味な城郭だったのが、この天守閣の復元により一躍有名城郭の仲間入りを果たすことになったわけです。
因みに大洲に来たのは2回目です。初回はたまたま乗換えの都合で降りただけでした。何とか外観だけでも拝みたくて歩き始めましたが、思いのほか遠く、また時間もなかったため結局断念したのを思い出しました。

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肱川を渡ってすぐに右折。川沿いに少し進むと苧綿櫓にたどり着きます。
肱川の流れに面した石垣の上の苧綿櫓は縄張図を見ると当時も肱川の流れに面していたようなので、恐らく肱川の行き来を監視する役目も持っていたのではないでしょうか。
因みに現在苧綿櫓が建つ石垣は当時からかさ上げされているそうです。そもそも現在の肱川の堤防は驚くほど高いです。昔何度も大水害を受けた故でしょう。川の流域に大きな都市がないからか水はとても綺麗で清らかでした。

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件の天守は堤防脇の階段を上がるとたどり着きました。天守に比べて天守台が低いように見えます。ま、こういう縄張なので別に悪いわけではありませんが。
天守に相当する高欄櫓と台所櫓は現存建物。天守本体及び渡櫓が復元ですが両者は違和感なく繋がっています。
内部も同様で、部材の年季に差はありながらも問題なし。新築はとても気持ちがいいものですね。
4層とはいえ天守そのものはそれほど大きくありません。階段の勾配が若干緩い気がするのですがどうでしょう。他の城の現存天守はもっと階段がきつかった記憶があるのですが。
最上階は窓が少なくてちょっと暗い感じ。展望もいまいちききません。
余談ですが、昔は電球なんていうものはないわけで、窓が少ない建物内や穴倉などは今では考えられないくらい暗かったのだろうと思います。昔の人はかなり目が良かったのでしょう。自分は目が悪くて夜目が利かないのでかなり厳しいなと思ったり思わなかったり。

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天守を出て本丸から降りていくと、高床式の珍しい構造をもつ下台所が残っています。台所の遺構はかなり珍しいと思うのですが、国指定の文化財になっていないんですね。
堀は全て埋められてしまっており、二の丸より外側は街に同化してしまった感じです。現存建物である三の丸南隅櫓も大洲高校の校庭に面して建っていました。

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町の中心部が駅から離れているせいか、古い町割りがそのまま残っている感じです。埋められてしまった堀跡も航空写真を見れば明瞭にたどることができます。町を挟んで城の反対側にある大洲神社に登ると今では珍しい瓦屋根の連なりを見ることができました。
道が細くてところどころクランク状になっていて、高い建物はなく、古いながらも丁寧に手入れされた民家が並んでいます。ゆっくり散歩するには最高の環境でしょう。たぶん。

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伊予大洲駅に戻って、予讃線八幡浜へ。車窓からはいつまでも天守が見えていました。

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