カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

訪城記 ~掛川城~ 【2014.4.29】

掛川駅を出て駅前通りを5分ほど北に歩くと、二の丸御殿の正面に出ることができます。
このまま進んでも良いのですが、せっかくなのですこし寄り道を。駅前通りから東へ1ブロック進むと復元された大手門があります。
あまり大きな門ではありませんが、なかなか剛健なイメージの門です。
しかし、両袖の土塁は失われ、堀もなく、背後には逆川が流れるという門としての意味をなしていない構造に若干ゲンナリしました。
なんでも、旧位置は道路になってしまっているとのことで、位置を北にずらして再建されたとのことです。

イメージ 1

イメージ 2


門をくぐるとすぐに番所があります。幕末に建築されたものとのことで掛川市文化財になっています。

イメージ 3

イメージ 4


曰く、掛川城天守はここから見るのが一番美しいとのことですが、どうでしょうか?
確かにきれいだとは思いますが、ビルやら電線やらが目障りで景観としてはいまいちだと思います。

イメージ 5


再び駅前通りに戻ってそのまま逆川をわたると、正面に二の丸御殿、左手に本丸と天守があります。下の写真は三の丸から撮影したものですが、その三の丸はただの広場になってしまっており、城郭という雰囲気は感じられません。

イメージ 6


門をくぐってまずは本丸へ。入城料410円を払います。
入場券売り場の裏には静岡県唯一の現存櫓である太鼓櫓があります。下見板張り小さな櫓です。
元々は三の丸にあったそうですが、移築され現在の位置に収まりました。

イメージ 7

イメージ 8


天守へはさらに石段を登ります。
途中の踊り場からは先ほどの太鼓櫓も良く見えます。
登りきると冠木門があって、潜ると天守丸。ほぼ天守のみしかないとても小さな曲輪です。
ちなみに、絵図によると冠木門のところには二階門があったようですが、そんなもの建てられそうにありません。その位狭いです。

イメージ 9

イメージ 10

イメージ 11


天守は木造4階建て。最近増えてきた木造+伝統工法による復元建築の走りです。
昔は消防法とか建築基準法の関係でこういった木造での復元は難しかったんですよね、たしか。
山内一豊高知城を築城した際に「掛川のままに」といったとか言わないとかで、高知城天守掛川城のそれに似ているといわれています。
掛川城の復元にあたっては、史実とは逆に高知城天守を参考にしたそうで、そういえばどことなく雰囲気が似ています。
ただし、忍び返しをぐるりと植え込んだのは少々やりすぎかも。
絵図には下見板張りで高欄のない天守の姿が描かれていますので、この天守の姿が昔通りかというとかなり怪しいと思います。

イメージ 12

イメージ 13


天守を出て、天守丸を廻り込むように二の丸へ向かいます。
この通路、「二の丸への近道」ということになっていますが、昔からあったのでしょうか?
天守丸の石垣がいかにもって感じの雰囲気なので、どこが旧状をとどめているのか分からなくなってきます。

イメージ 14

イメージ 15


二の丸御殿は、数少ない御殿建築の遺構として貴重です。重要文化財に指定されています。
城郭の御殿建築は現存するものが少なくて、二条城、高知城川越城…くらいしか思い浮かびません。
佐土原城とか篠山城彦根城、佐賀城みたいに復元されたところは多いですが。

イメージ 16

イメージ 17

イメージ 18

  ↓天守から見た二の丸御殿
イメージ 19


掛川城天守が平野の中の独立峰のてっぺんにあり、とても目立ちます。小さな建物ですが、新幹線の中からも容易に見つけることができるため、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
天守、御殿と見どころのある城ではありますが、城跡自体はかなり改変されており、保存状態は良くありません。
城を中心として景観を整えるという街づくりも行われているようなので、なおさら遺構の貧弱さがもったいないと思いました。

イメージ 20




↓よろしければクリックをお願いします。ささやかな励みになりますので。
http://widget.blogram.jp/images/bgButton1_whi.gif
blogramランキング参加中! ←クリックはこちら。