路線バス網は福島県中通りと浜通り北部にまたがる広大なものです。また、首都圏や中京、関西と福島を結ぶ高速バスも運行しています
鉄道路線は飯坂線9.6km。福島から飯坂温泉まで、約23分で結んでいます。
起点の福島駅は、頭端式の島式ホームを阿武隈急行とシェアする不思議な構造。
共同使用駅とすることでコスト削減を狙っているのだと思いますが、電化方式が異なる他、私鉄と国鉄という出自の違いを考えるとヘンな気持ちになります。
12月29日、9:30発の列車は100人近い乗客をのせて出発。
年末とはいえ、なかなかに盛況です。
実際、地方中小私鉄の中でも営業成績がかなり良い方で、少ないながら黒字も出しているようです。
飯坂温泉に到着。
福島の奥座敷というべき巨大な温泉街の玄関は、線路の両側にホームがある1面2線。
折り返し時間は短いですが、スムーズな乗降が行われています。
駅前を流れるのは摺上川です。
巨大な温泉旅館やホテルが並んでいますが、営業している形跡がないものも多いです。
そして、川を渡ったところには湯野町という駅がありました。
これは、飯坂東線という福島交通軌道線の駅で、1967年廃止。
福島交通軌道線は、福島駅を起点に、湯野町、保原、さらに梁川、掛田を結び、総延長31.5kmにもなる路面電車です。
1967年の部分廃止を経て、1971年に全線廃止。
現在、保原と梁川には阿武隈急行が走り、福島市内との連絡を担っています。
特に保原は、伊達市の中心であり、当時は梁川と掛田への分岐点でもありました。
福島交通の保原駅は現在の阿武隈急行保原駅とは離れた場所にあったようですが、ほど近い保原中央交流館の駐車場に車両が保存されています。
屋根などはありませんが、2015年頃補修されたとのことで、非常にきれいに保存されています。
保原から阿武隈急行で6駅、福島学院前駅から10分ほどの瀬上小学校にはモハ1119が保存されています。
小学校ということで敷地外から。
門は開いていて、校庭では家族連れが凧揚げをしていました。開放日なのでしょうか?
ただ、関係者の姿は見えません。正面に回ってみましたが、人の姿はありませんでした。
福島交通軌道線をネットで検索すると、狭い道路を進む電車の写真をいくつも見ることができます。
幅が狭く、面長の車両は独特でとても魅力的。
鉄道が身近で、生活に密着していた時代がそこにありました。
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