総武流山電鉄(現流鉄)は、常磐線の馬橋から流山の中心部まで、全長5.7kmのミニ私鉄です。
江戸時代から水運で栄え、明治時代には葛飾県庁もおかれた、この地域ではかなり有力な集落だった流山ですが、常磐線の前身である日本鉄道海岸線がこの地を通ることはありませんでした。
いろいろな地域に存在する、ありふれた鉄道忌避伝説が残っていますが、その伝説はマユツバでしょう。ただ、物流の幹線から外れてしまったという危機意識は強かったみたいで、町民からの出資を募って建設されたのが、現在の流鉄流山線です。
中小私鉄でありながら首都圏近郊という立地もあって、順調な経営を続け、「中小私鉄の優等生」などともてはやされた時期もありましたが、2005年に状況は一変します。
つくばエクスプレスの開通。これは明治以来、都心直通の鉄道を待ち望んでいた市民の悲願がかなったものでした。当初は運賃の高さなどにより乗客がどれほど転移するのか、懐疑的な見方もあったように記憶しますが、ふたを開けてみれば、利便性が認識されるとともに旅客流動は一変し、流鉄の利用者は半減しました。
以下の写真は、TX開通から1年が過ぎた2006年11月5日の「流鉄まつり」の風景です。
保有車両は2000系、3000系合わせて16両。外観からわかる通りすべて西武の車両です。
ラッシュ時は3両編成、日中は2両編成という使い分けですが、このころはすでに、朝ラッシュ時といえども3両編成は過剰だったようです。
現在は、西武新101系が種車の5000系2両編成5本、合計10両に置き換えられています。
10年もたつと、いろいろ変わってしまうものですね。
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