名胡桃城から後閑駅まで歩いて、12:56発の水上行きに乗車。
水上で長岡行きに乗り換えます。
この日は新潟のホテルを予約していましたが、このまま向かうには早すぎます。
どこかに寄り道しようといろいろ調べましたが、食指が動きません。
さんざん悩んだ結果、六日町で下車して北越急行に乗り換えました。
2023年3月のダイヤ改正で快速が廃止され、最高速度も95km/hになった北越急行。現行ダイヤでは六日町~犀潟59.5kmに1時間強を要しています。
それでも、高速運転を前提にした線路をスルスルと滑るように走り、赤倉トンネル内の美佐島駅で下車しました。
北越急行唯一の地下駅。
ホームの出入口にある鉄製の頑丈な自動扉という特異な構造が開業前から話題になりました。
この扉は、列車が停車するとき以外は施錠され、利用客はホームに出入りすることができません。
また、列車到着後にホームに長く留まっていると、放送により退出を促されるとのこと。
加えて、駅舎への階段の前にもうひとつ扉があり、二重扉になっています。
この2つの扉は、同時に開くことがないよう連動しています。クリーンルームに入る時のエアロックのような構造ですね。
なぜ、このような構造になっているのか?
それは、最高時速160km/hで運転されていた特急はくたかなどの通過列車から利用客を守るための安全対策です。
トンネルを高速で列車が走り抜けると、猛烈な突風が発生します。開業前の試験では、階段部で風速24 m/sを記録したとのこと。大型台風並みで、生身の人間は立っていることができないほどです。
また、運輸省の完成検査では、開扉状態で列車を通過させたところ、突風が階段を駆け上り、駅舎の窓ガラスを粉砕するという笑えない事態にもなっています。
現在この駅を通過する列車はなく、この構造の意味も半ば失われているように思いますが、安全対策として維持されています。
駅舎へは階段で接続。エレベーターなどはなく、バリアフリーにはなっていません。
地上へは60段くらい。意外に浅くて土被りは10mほどとのこと。
美佐島駅の平均乗降人員は4人/日。人の姿はありません。
畳敷きの待合室があり自由に使うことができます。
スイッチを入れましたが電灯は付きませんでした。日中はブレーカーが落とされているようです。
駅舎の外に出てきました。
立派なロータリーがあり、秘境駅というには拓けています。
畑や人家が見え、人のにおいを感じます。
駅に戻ってくると、誰もいないはずの駅舎内からカタッという音がしました。
思い返してみれば、ロータリーに停車していたバンのエンジンがかかっていました。
保線の作業員の方がいるのでしょうか?
人の気配がないというのも不気味ですが、人がいないと思っていたところに気配を感じるというのも気味が悪いです。
15:55の列車に乗車、直江津で下車しました。
17:38発の特急しらゆき7号に乗り換え、新潟で宿泊しました。
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