カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

原子力を考えてみる

何だか、夏前に起動させるみたいですな・・・原子力発電所
その裏には、単純に電力供給が逼迫するためという理由以外にもいろいろドロドロしたものが透けて見えていて、何だかすごくいやな気持ちになります。
もちろん原発が動かないと電力は逼迫するし、それに伴う経済的な損失も大きいというのは分かります。
分かりますが、釈然としません。

福島第一の事故はもちろん、東海村のJCO事故、もんじゅのナトリウム漏洩、中越沖地震柏崎刈羽・・・、原発(JCOは原発ではありませんが)があることで私たちはどれだけの代償を支払わされたのか・・・
そのことを評価し、原発があることによる恩恵との間で天秤にかけた上で私たちが決めるべきことであるのに
そのことをすべてすっ飛ばして突き進もうとするこの雰囲気の所為なのかもしれません。

原子力発電所において重要な「停める」「冷やす」「閉じ込める」という3つの機能があります。
これがどのようなときにも保たれるからこそ、原子力発電を手段として利用ができるのですがこの前提が今回崩れてしまいました。
もちろん今までも想定できる対策は順次行ってきたとは思いますが、そもそも、技術に絶対はありませんので、いくら対策を施しても3つの機能が失われてしまう可能性を完全に排除することはできません。
このリスクを私たちは受け入れることができますか?


原子力発電は発電コストがほかの発電方法に比べると安いといわれます。
大量のエネルギーが効率的に安価に手に入る・・・これほど良いことはありませんよね。
実際、電力会社は原子力発電の比率を上げることで財務体質を強化してきたのも、原子力が火力や水力に比べて相対的にコスト的に優位だということを裏付けているように思います。
しかし、本当でしょうか?
残念ながら資料を持っていないので、疑問を提示するだけにしておきます。
耐震性の要求が厳しい原発の建設には火力発電所より建設費用がかかることが予想されますが発電kwあたりの建設費はどれだけの差があるのでしょうか?
原発は運転を始めたらずっと放射線に対する厳重な管理をする必要がありますがその管理の費用はどのくらいかかっているのでしょうか?
廃棄物の処理、最終処分の費用はどのくらいかかるでしょうか?その費用はいったいだれが負担するのでしょうか?

特に廃棄物の問題は深刻だと考えています。
高レベルの放射性廃棄物はこの先何十年、何百年と隔離し管理し続けなければなりません。
六ヶ所村の再処理工場も稼動せず、中間貯蔵施設も最終処分場も決まらない中、今も増え続ける高レベルの放射性廃棄物をどう処理すればよいのでしょう?
何百年もの間管理し続けることができますか?
私たちが原子力発電を利用し続けるということは、私たちの子孫にこういった問題を押し付けているということに気付くべきだと思います。


現状、原子力発電に代わるものがありませんので、原子力発電所は稼動せざるを得ないと思います。
最近耳にしませんが地球温暖化の問題もありますし・・・
環境問題を念頭に置くと、はっきりいって現状は「前門の虎、後門の狼」状態です。ただ、どちらが良いかと聞かれれば、放し飼いの虎よりも檻に入れられている狼の方が良いに決まっています。

個人的には原子力発電のはあと30年だと思います。
石炭から石油というエネルギーの変遷を例にとるまでもなく、あと30年経てばもっと効率的で安価なエネルギーが開発されて自然に淘汰されるでしょう。安価で効率的だという部分(それですら多分に怪しいですが・・)がなくなってしまえば、これほど管理が厳しくて面倒くさい発電方法などありはしないのですから。

だから、それまでは檻が壊れて狼が出てきてしまうような天災が起きないことを祈るとともに、私たちの子孫に「ごめんね」「あとはよろしくね」と頭を下げておくことにしましょう。
今の生活レベルを落としたくないなら、私たちにできるのはせいぜいこれぐらいですよね。

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