2023年8月26日、宇都宮に新たな路面電車が開業しました。
宇都宮ライトレールが営業する路線は、JR宇都宮駅東口から鬼怒川を越えて、清原工業団地、芳賀・高根沢工業団地を結ぶ全長14.6 km。
超低床車両が高頻度で行きかう様子は、ヨーロッパ型のLRTの姿を彷彿とさせます。
「路面電車」という言葉は似つかわしくありませんね。ようやく日本にも次世代の公共交通機関が誕生した、そんな感じがします。
起点となる宇都宮駅東口のホームは跨線橋でバスターミナルを越えたところにあります。
将来の西口、東武宇都宮駅方面への延伸に備えて、導入空間が確保されています。
乗車した9月16日は開業から3週間たっていますが、12時過ぎのホームは長蛇の列。
ご祝儀乗車は一段落しているかと思っていましたが、半分以上が地元の人という感じで、徐々に定着してきていることを感じます。
宇都宮駅を後に鬼怒通りを東へ。しばらくは併用軌道を進みます。
走行は非常にスムーズ。揺れは一切なく、滑るような乗り心地。
ただ、信号待ちで停車する時間が結構あったので、システム的にもう少し工夫が必要かも。
高架の専用軌道になって鬼怒通りとお別れ。
平石は、車庫があるため2面4線になっています。
将来は急行運転も予定されているため、緩急接続が実施されるものと思います。
平石小学校前を過ぎると、高架になって鬼怒川を渡ります。
この辺りは上限である40km/hギリギリまで速度を上げ、快走します。
清原地区市民センター前は、駅前にバスターミナルがあり、結節点となっています。
待避線のあるグリーンスタジアム前。
栃木SCのホームスタジアム、栃木県グリーンスタジアムの最寄り駅で、試合開催日は臨時列車の折り返しにも活用されています。
再び鬼怒通りに戻ってゆいの杜地区を進みます。
芳賀町に入って、かしの森公園前周辺は畑が目立ちます。
田畑とLRT、不思議な風景ですが、今後再開発による宅地化が進むのではないでしょうか?
芳賀・高根沢工業団地に到着。
宇都宮駅東口から約40分でした。
LRTの整備にあたっては紆余曲折あったようです。特に、栃木県は車社会なので忌避感も強かったものと思います。
ただ、車内を見ると、明らかに地元の人が多く、早くも定着しつつあるように感じられます。
一方で、15km足らずの距離の40分かかっていることから、もう少しスピードアップしたいところです。
専用軌道区間の最高速度向上は早期に実現してほしいですが、それよりも、併用軌道区間の信号待ちによるロスが大きい印象ですので、列車の位置を感知して信号のタイミングを変更するなど、スムーズに通過できるよう改善してほしい。
さらに、西口から東武宇都宮駅方面へ延伸され、急行運転が始まれば利便性が飛躍的に向上します。
特に、街の中心がJR駅周辺と東武駅周辺の2か所に分かれがちな宇都宮市街にあって、LRTの開業は起爆剤になる可能性があります。
今後の展開に期待したいと思います。
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