2020年3月場所に引退、現在は井筒親方として相撲協会に残っています。先日(5月28日)に断髪式が行われました。
身長169cmと小柄でしたが、胸を出す立合いは独特で、取組中も頭を付けることはほとんどなかったと思います。
技巧派力士として定評がありました。特に、相手の懐に潜り込む技術は素晴らしく、また、もろ差しからの寄りや投げのキレは目を見張るものがありました。
琴欧洲との相性が良く、強烈な下手投げで背中から落とすシーンをよく見た記憶があります。
2004年5月新十両。第2検査出身初の関取でした。2004年9月新入幕。
このころは、琴欧州や琴奨菊、安馬(日馬富士)、萩原(稀勢の里)などのちに角界を背負うことになる個性派が前後して関取になっています。
世代交代の時期で若手に活気があり面白い時期だったと思いますが、一方で、相撲人気の低迷が叫ばれていた時期でもありました。
2005年頃は、升席が一般発売されたり、国技館の券売所で当日券が普通に買えたのも思い出です。
その後、チケットが取りにくくなったこともあり、私自身は国技館から足が遠のきました。
そして、最近は中継も見なくなりました。
それは、雰囲気が非常に悪くなったと感じているから。厳しく言えば、不快になるくらい。
原因はいろいろ言われていますが、私が思うに、大部分は観客のせいです。
特定の力士を一方的に持ち上げ、相手をヤジる。節操のないヤジと拍手、座布団投げ・・・
大相撲には、スポーツ、興行、神事という3つの側面があると思います。
そして、そのバランスは非常に微妙で繊細です。力士や協会だけではなく観客も一緒になって守っていかないとすぐに崩れてしまうものです。
相撲人気が低迷した時期から15年ほど、復活したのは喜ばしいことですが、大相撲の未来を考えると、今の方が危機的なのではないかと思ってしまいます。
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