カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

訪城記 ~佐賀城~ 【2010.8.8】

佐賀藩は幕末期に数々の俊英を生み出したことで有名です。
石高35万余石。主城は佐賀城ですが、この佐賀城、いまいち知名度に欠ける気がするのは気のせいでしょうか。

佐賀駅から南への一本道。10分強歩くと広い水堀にぶつかります。このまままっすぐ行けば本丸ですが、堀沿いに周ってみることにしました。
とにもかくにも広い堀です。おそらく50m以上はあるでしょう。なんだか広い川か湖みたいで城郭っぽくありません。その分堀沿いの遊歩道は気持ちの良いものでした。

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南側にまわってくると、妙にきれいで、整った形の櫓台が見えます。きれいすぎてなんだか変な感じです。ちなみにその内側が本丸に当たります。

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橋を渡って本丸の塁に沿って南に向かうと巨大な天主台が見えます。本丸の虎口を押さえる配置にはどことなく会津若松城を彷彿とさせますが、気のせいでしょうか。この天主台は妙な作りになっていて、石段が二の丸側についていて本丸からは直接アクセスすることができません。一説には、本丸は旧主の竜造寺家が入り、鍋島家は二の丸に屋敷を構える予定だったからだといいます。実際のところ竜造寺家は三の丸に屋敷を構えたようですが、当時の絵図をみるとその敷地の広さは本丸をしのぐほど広大なものなので、なんだかんだいって両家の関係はかなり微妙なバランスの上に成り立っていたようです。

イメージ 4天守台へ続く石段の入口
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本丸の虎口には鯱の門が現存しています。国の重要文化財ですが建造時期は意外に新しく1838年とのこと。続き櫓の格子状の窓の造作などになんとなく新しさを感じます。門扉には佐賀の乱のときの弾痕が残っています。ちなみに自分は見逃しました。

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本丸に入ると御殿が一部復元されていて「佐賀城本丸歴史館」という博物館になっています。この博物館、なんと無料です。しかも、畳敷きです。ついでに言えばその畳はまだ青々としていて昼寝には最高です。絶対許してくれないでしょうが。
中にはボランティアの人がいて、熱心に説明していましたし、清掃が行き届いていて大変気持ちいいです。
無料ということで、運営は来館者の寄付金で賄われています。だからこそ、ボランティアの方の熱心さがわかる気がしますし、敬意を表して若干協力してきました。

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帰りはそのまま佐賀駅に向かいました。
旧三の丸を突っ切っていきますが、そこには、県庁や県立博物館、公園、住宅、商店なんかが立ち並んでいて、城の雰囲気が乏しい感じです。
平城というのはどうしても都市化の波に埋没してしまいがちです。濠なんて埋めてしまえばいいですし・・・ね。
遺構は出来る限り後世に遺すべきだとは思いますが、一方で町の真ん中に開発できない広大な土地があるというのも発展の阻害要因になるので、難しいところです。
ただ、本来であれば後世の人々に引き継ぐべきものを破壊しているわけですから、謙虚な気持ちで、猪突猛進だけは避けたいものです。

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