カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

訪城記 ~浦添城~ 【2018.11.24】

沖縄の話、もう少し続きます。

11月24日は美栄橋駅からゆいレールでスタート。古島駅で下車しました。

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7:51発の55番牧港線のバスに乗り換えて、20分ほどの仲間まで。
バス停からは緩やかな登り坂。看板も整備されているので迷うことはありません。

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10分ほど歩いて「浦添グスク・ようどれ館」に到着。開館時間前なので、先に城跡に向かうことにします。
さらに歩いて数分、公園に入ってすぐのところに伊波普猷の墓がありました。

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伊波普猷は沖縄学の父とも称される人物。1911年に発行された『古琉球』は古典的名著です。私も岩波文庫版で読みました。
その言説には、例えば沖縄差別への批判が薄かったことなどを問題視する声もあるようですが、先駆者に対する評価としては公平ではありません。
不足しているところは後世の人が補い、発展させていくべきなのですから。


さらに進むと石垣が現れました。

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この、いささか新しすぎる石垣は、傍らの看板によれば、近年復元されたものとのことです。
御多分に漏れず、戦後に建築資材として持ち出されてしまったためとのことですが、このあたりは沖縄戦の激戦地ですので、戦争による破壊も大きかったのではないかと推測します。

基礎のみ残った石垣。このあたりも復元されるのでしょうか?

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城跡の中心部にはディーグガマという鍾乳洞があります。グスクの時代は御嶽でしたが、戦後は戦没者の納骨堂になっていました。ちなみに、後に、遺骨はすべて摩文仁にうつされたとのことです。

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ここで、テレビ局のスタッフさんにはなしかけられました。
ドラマの撮影をしていて、場合によっては移動してもらうかもしれない、とのこと。
ただ、現場は準備中で撮影が始まっている雰囲気はないのであまり気にしないことにします。

正殿跡と思われるところ。発掘調査で礎石がみつかったとのことです。
保存のため埋め戻されていますので、よくわかりません。

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さらにすすむと、尾根がどんどん狭くなっていきます。
城の北側に降りる階段を見つけました。
岩盤の裂け目を利用した虎口、という感じですが、北側は戦後に大きく改変を受けたところなので、そのままグスク時代の遺構と考えるのは無理があると思います。

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階段を降りたところには「前田高地平和の碑」。この地で米軍と戦い多大な戦死者を出した第32連隊第2大隊の慰霊碑です。

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そして、戦闘に使用されたと思われるガマ。当然ながら立ち入り禁止です。

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城跡に戻って、浦添ようどれに向かいます。

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ようどれとは、夕凪という意味。琉球王国の王墓で第二尚氏7代目国王、尚寧王がねむります。
第二尚氏の王墓は世界遺産にもなっている玉陵ですが、尚寧王浦添出身であったため、玉陵ではなく浦添に葬られることを望んだとか。

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東室と西室という2つに分かれています。
それを囲む石垣が、非常に精緻で美しいです。ただ、戦争で徹底的に破壊されましたので、この石垣も戦後の復元によるものです。

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頃合いの時間になりましたので、「浦添グスク・ようどれ館」に戻りましょう。

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ここには、浦添城、浦添ようどれの古写真や発掘調査の成果や出土品がまとめられています。
なによりも、実物大で再現された浦添ようどれの西室は必見です。

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余談ながら、先ほど城跡でやっていたドラマ撮影の控室になっていたみたいです。
博物館の人から尚氏についての説明を受けているすぐそばを、MAXのNANAが通り抜けていきました。


城跡に戻って南側へ。
浦添城の前の碑」です。首里からここまで石畳の道が整備されたことを記念して作られた竣工記念碑です。1597年完成とのことですから400年以上前のことになります。

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そしてこれがその石畳道。もちろん復元ですが。

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この石畳道をおりたところで公園事務所には、浦添城の模型があるとのこと。
予定しているバスまで20分ほどありますので、寄り道する時間はありそうです。

事務所に入ったところで、手持無沙汰にしていた事務所の人につかまってしまいました。
説明してくれたのは、嘉数高地、前田高地での激戦のこと、首里からさらに南部に移った戦線のこと。
それを大きな航空写真のパネルの前できいたので、地形と戦闘の関係がよくわかってとても興味深い。
説明の時間は30分を超え、当然ながらバスには乗れませんでしたが、とても貴重な時間でした。

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浦添城はこれからも復元工事が進むとのことです。
さらには城跡の周囲には、沖縄戦の遺構が多数残っているみたいです。数kmしか離れていない嘉数高地にも行ってみたいです。
現在、モノレールの延伸工事が進められており、このあたりに浦添前田駅ができる予定です。開通は2019年の予定。
モノレールに乗りがてら、改めて来ようと思います。

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