カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

記号になった人々

5000、6000、7000、8000、9000・・・
10000・・・
11000、12000・・・
刻々と増えていく数字はどこまでも無機質で、何も語りかけてはこない。
でも
父が、母が、祖父が、祖母が、兄弟が、友達が・・・
数字ひとつひとつに血を通わせてみると
その恐ろしさに思わず立ち尽くしてしまう。

誰であっても人生は一編の小説になるという。
今日、明日、明後日・・・日々紡ぎだされる物語たち
最終回はもっと先になるはずだったのに・・・

一方で、終わることなく今も生み出されている物語たち
避難所で、原発で・・・
たぶん予定されていたものとは大きく違ってしまったけれど
それでも物語は続いている・・・そのことが尊いと思う。


人間は2度死ぬらしい。
1回目は心臓が止まったとき、2度目は人々の記憶から消えたとき。
人間は忘れる生き物だから、忘れるのはある意味当たり前だし
そのことによって自分を守っているという側面もある。
たぶんこの痛みもそのうち気にならなくなるのだろう。
でも、忘れてはいけない大事なこともいっぱいある。
今回の出来事というのは、たぶんその中のひとつだと思う。

自分は被災者ではないから
「生きてて良かった」とか「頑張って」とかそんなことは言えないけれど
覚えておくことは出来る。覚えておかなければいけない。
どうなるにせよ今回の記憶が今後の糧になるはずだから。