笠岡駅付近に遺る井笠鉄道の面影

その昔、井笠鉄道という軽便鉄道がありました。
山陽本線の笠岡から北上し井原に至る本線に、矢掛と神辺への支線がありました。
1971年に廃止になったこの鉄道ですが、笠岡駅近くの公園に気動車が保存されているとのことで途中下車してみました。

笠岡駅から歩いて5分ほど、駅西側の跨線橋の高架下に作られた児童公園にその気動車はいました。

定期的な塗り直しを受けているようですし、高架下ということで雨をしのげますので保存状態は悪くありません。

ただ、窓ガラスはすべて撤去されていますし、床下機器はかなり腐食が進んでいます。

この手の保存車両には珍しく、中に入ることができます。
内部もかなりきれいに保たれています。

私自身は軽便鉄道が走っていたころを知りませんので、こんな小さな気動車が走っていたことがにわかには信じられません。
そして、そのことをリアルタイムで見ている人がとてもうらやましく思えてなりません。

ところで、笠岡駅の跡地は現在駐車場になっています。
下の写真は先ほどの跨線橋から見た笠岡駅跡地です。
駐車場の奥に2階建ての事務所のようなものがありますが、この建物は当時の写真にも写っています。
右の山陽本線のホームに井笠鉄道も発着していました。

その跨線橋から反対側を見ました。
真下の道路、怪しいですね～～
カーブの具合がまさしく鉄道という感じです。
（このあたりの感覚は鉄道好きの方ならわかっていただけるのではないでしょうか？）

少し歩いてみました。

道路は緩やかにカーブしながら続いています。
わずかに勾配があるようです。

側溝の土留めに使用されている古いレールを見つけました。
これは、井笠鉄道で使われていたものでしょうか？

さらに歩いて5分ほど。いつの間にか数メートル登っていました。

ちなみに、途中にある威徳寺という寺院の前ですが、両側が高くて、廃線跡が若干低くなっています。
このあたりも、勾配に弱いという鉄道の特徴が表れているように思うのですが。

笠岡付近の井笠鉄道の廃線跡はいまだに明瞭で、yahooなどの地図や衛星写真でも追うことができます。
また、井笠鉄道本線の新山駅は井笠鉄道記念館となって多数の保存車両もあるとのこと。
軽便鉄道のなかでは廃止が遅い方だったせいか遺っているものも多いので、今度はじっくりと沿線を巡ってみたいと思います。

↓よろしければクリックをお願いします。ささやかな励みになりますので。
http://widget.blogram.jp/images/bgButton1_whi.gif
blogramランキング参加中！ ←クリックはこちら。