カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

BRT雑感

大船渡に宿泊して、12月31日。

7:26発のBRTに乗車します。

 

市街地を見下ろす線路敷を利用した専用道を快走します。

 

陸前高田市内に入ると一般道へ。真新しい住宅が並ぶ区画整理された土地には空き地が目立ちます。

 

再び専用道を抜けて、8:45に気仙沼に到着しました。

大船渡市内から約1時間半。ちなみに、鉄道時代は60分でした。

 

 

9:25発の気仙沼線BRTに乗り換えます。

 

被害が大きかった旧志津川町内は一般道を進みます。
志津川駅は道の駅みたいになっており、きれいになってはいるものの、鉄道の痕跡は一切確認できませんでした。

 

最後の区間は自動運転。加減速はなめらかですが、慎重すぎるくらいの徐行を繰り返しており、所要時間という面では若干不利かも。

 

結局、気仙沼から2時間弱で柳津到着。

鉄道があったころは、快速南三陸で1時間、普通でも1時間半ほどでしたので、こちらも30分ほど所要時間がのびています。


BRTと言いながら一般道を走行する場面が多いことや停留所の数を増やしたことなど、利便性向上への取り組みが垣間見えますが、

一方で、30~60分所要時間がのびたことや、高速で走行すると揺れが大きく乗り心地に難があることなど、鉄道と比較するとパワー不足の面も否めません。

地域内交通としては十分だとしても地域間交通としては課題が多いというのが率直な感想です。

しかし、すでに鉄道としての復旧は断念されており、陸前高田志津川は線路の存在を前提としない街づくりが進んでいることから、鉄道での復旧は絶望的な状況です。

山田線のように、鉄道復旧させたうえで三陸鉄道が一括で引き受けるというのが現実的なシナリオだったと思いますが。。。



何度も津波に見舞われた三陸地方にとって鉄道は悲願でした。

熱狂と興奮に包まれた開業日の志津川の様子を、宮脇俊三は以下のように記しています。

 

気仙沼線の中心駅だけに大きな新駅である。しかし広いホームに立つ人の数は意外に少ない。そのかわり、サッカーでもやれそうな広い駅前広場はびっしりと人間で埋まっていて、思わず口(ママ)を開けて見下ろしたところ五千人以下ではない。一万人ぐらいかもしれない。志津川は人口一万七千だからまさに町を挙げてである。特設の舞台も設けられている。花火が打ち上がり、風船が何百と放たれ、少なくとも百羽以上の鳩が飛びたった。上空にはヘリコプターが三機も旋回している。

宮脇俊三の『時刻表2万キロ』(河出書房新社、1980年)

 

 

三陸沿岸がレールでつながってから39年。そして震災から12年。

もう戻れないところまで来てしまった、そんな気がします。

 

 

 

 

 

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