カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

6時間半耐久 飯田線1本勝負

学生時代は、いまよりたくさん電車に乗っていたなぁ、と思います。比喩ではなく、文字通りの意味で。

誰もが同じだと思いますが、学生には金がない、そして時間があります。

だから、金がない分を時間で補っていました。例えば、下関から千葉まで普通列車で帰ったことがあります。当時は「ムーンライトながら」が健在だったので、そんなことも可能でした。

あるいは、大阪発の夜行列車に乗るために、家を朝早く出て普通列車東海道本線を下ったりしたことも。

鉄道が陸上交通の王者だった国鉄時代に比べればささやかかもしれませんが、それでも当時はそのようなことも可能でした。

 

社会人になると、金はそれなりにできましたが、時間が無くなりました。そして、時間を金で買うようになったわけです。

鈍行ではなく、特急。たとえば今、下関から帰るときには新幹線を使うだろうし、もっと言えば、北九州や山口宇部から飛行機を使う可能性が高い。

金を節約するためだけに、行程が1日延びることを許容できなくなったというのもあるし、志向も変化しました。今なら、金で買った時間を使って、地場の博物館や寺社仏閣、城跡などをめぐるはず。

 

良くも悪くも大人になったということでしょうか。

 

でも、たまには、飽きるほど列車に揺られていたあの頃のような旅をしたいとも思います。

 

 

と、たわごとはそれくらいにして、一昨日(1月8日)のことです。

久しぶりに飽きるほど電車に乗りたくなって新宿7:00発の「あずさ1号」に乗車しました。目当ては、上諏訪9:22発の飯田線豊橋行。終点まで6時間54分かかる名物列車です。

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この日は大月付近で信号トラブルがあったとかで、ダイヤが乱れ気味。「あずさ1号」も大月を過ぎたところで徐行を繰り返し、上諏訪到着は14分遅れでした。すでに豊橋行の列車は出てしまっていますが、岡谷で10分の停車時間があるので何とか間に合いそう。案内放送でも、岡谷での乗り換えを促していました。

 

待っていてくれた豊橋行きは313系。3両編成のためか、ワンマンではなく車掌が乗務していました。

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車内は転換クロスシートの窓際がほぼ埋まっていて、パラパラと立ち客がいる状況。これから6時間半の長道中ですが、最初は立っていることになってしまいました。

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岡谷で松本行普通列車を待ったため3分遅れで発車。そのおくれも辰野での停車時間を削ることで回復し、飯田線に入った時にはほぼ定時でした。

 

飯田線は、複数の地方私鉄路線を買収して成立したという経緯があり、そのため駅の数が非常に多いです。2~3分おきに駅があり、都市部の通勤路線といった感じ。でも線形があまりよくないため速度は上がりません。のっそりと進んでいきます。

 

伊那松島で3分、伊那北で4分と列車交換のため停車。

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さらに宮田では8分の小休止。まとまった停車時間のある駅は、時刻表上だとこの先中部天竜までありません。その旨は案内放送でも注意喚起がされていました。

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それにしても、飯田線の車掌はかなり激務です。駅に着くたびに降車客のところまで走っていって切符を回収し、さらに安全確認しながら走って戻ってドアを閉める、それが2~3分おきに続きます。しかも停車時間はかなり短く設定されているので、ちょっともたつくだけでも遅延していしまいます。

さらに、車内を巡回して改札、乗車券の発行をこなします。しかも、対応が終わらないうちに駅についてしまうので、車内も行ったり来たり。さらには、車内放送で観光案内も。もうすこしうまいやり方ができないでしょうか?

 

駒ケ根を過ぎるとようやく車内が空き、座ることができました。

列車は、この地域の特色である田切地形をのそのそと進みます。

この日は天気が素晴らしく、山々がくっきりと見えました。

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12:48に天竜峡着。この先で天竜川を渡るので、座席を右側に移します。

 

12:58着の唐笠付近が折り返し地点。天竜峡から中部天竜の間は、川の両側が険しい渓谷になっており人家もまばら。田本や小和田といった有名(?)な秘境駅が続きます。

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中部天竜は14:10着。隣接していた佐久間レールパークは2009年に閉館しています。保存車両の一部はリニア・鉄道館に収蔵されましたが、解体の憂き目にあった車両もあり、何だか釈然としません。

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三河槙原。3分停車します。

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15:05着の本長篠では7分停車。

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三河東郷は15:24着。3分停車しました。

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さらに、15:33着の新城では9分。乗車が多く、立ち客が出ました。

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豊川でさらに乗客を増やし、16:16豊橋到着。岡谷から6時間半、途中で多少の遅れはあったものの定刻での到着でした。

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長丁場でしたが、途中の駅でリフレッシュできたこともあり楽しく過ごすことができました。

寝不足気味だったので寝落ちするかと思っていましたが、何とか保ったのでよかったです。

驚きなのは、岡谷から乗りとおしたと思しき人が数人はいたということ。また、小和田や田本などの秘境駅での乗降もありました。

 

 

たまにはこういう旅もよいものです。

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