カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

訪城記 ~相馬中村城~ 【2021.3.7】

出張の為、日曜日に移動することになりました。せっかくなので、少し早起きしてちょっとだけ寄り道します。

 

上野から新幹線へ仙台へ。

 2月13日の地震の影響で、東北新幹線は徐行運転が続いています。

白河のあたりから速度を落としましたので、仙台へは通常より1時間近く多くかかりました。

 

仙台で白石行に乗り換え。

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さらに岩沼で原ノ町行に乗り換えて、14時過ぎに相馬に到着しました。

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中村城へは、駅から歩いて15分ほどでした。

最初に目にするのは外堀です。

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東二の丸をかこむ広い内堀を回り込みます。

 

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中村城の写真に必ず出てくる大手門は城の南側にあります。1649年の建造とのこと。

先の地震のため、通行止めになっています。

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場内側から見ると、被害の状況がよくわかります。柱が抜け、崩れてしまいそう。

文化財ですから手当されるものとは思いますが、被害が広がらないうちに対応をお願いしたいところです。

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中村城の歴史はとても古いです。西暦800年頃に坂上田村麻呂が築城したというのは伝説の域を出ないとしても、

南北朝時代にはこの地に「中村館」という中村氏が築いた居館があったそうなので、歴史の古さは折り紙付きです。

そしてその時代の名残は、自然の地形を巧みに取り込んだ内郭の縄張に感じることができるようです。

 

しかし、この城のすごいところは虎口です。

自然の地形を利用しつつも、主要な虎口は全て喰違や枡形になっており、平入の虎口は一つもありません。

関ケ原の戦いののち、中村藩6万石の主城として改修されたときに整備されたものと思いますが、虎口へのこだわりを強く感じる縄張です。

 

特にすごいのは東二の丸。

本丸のある台地の先端部を堀切で分断し、高低差をもった馬出にしています。

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そして、本丸を抜けた西側は、塁線に沿った坂虎口。しかもこのあたりに建っていたという三層の天守から横矢が効くという凝った縄張になっていました。

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内堀に沿って、西二の丸へ。

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西門は小さな喰違虎口になっていました。

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さらに北二の丸。徐々に樹が頭上を覆い、道が細くなり、やがて完全に道がなくなってしまいました。

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引き返します。

 

 

妙見曲輪など西側の曲輪は地震の影響で立入禁止。

仕方ないので本丸経由で北側に抜けます。

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東二の丸の馬出の北側の虎口。ヤライ門と看板に書かれています。

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内蓮池門。

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背後は、蓮池という広大な湿地帯です。

城の北側の防御が手厚いのは、伊達氏を意識したためとのことです。

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外蓮池門。

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東日本大震災福島第一原子力発電所の事故で福島県浜通りは近くて遠い土地になってしまいました。

常磐線が復旧し、徐々に避難区域も縮小されているものの、昔のように気軽に訪れることは、心理的にも物理的にもハードルが高いままです。

 

あの日に戻ることはできません。でも、新たな「日常」の日々が早く戻ってほしいと思います。

 

 

 

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