カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

豊ノ島関、ありがとうございました。

元関脇豊ノ島の引退が発表されました。
新入幕の2004年11月くらいからずっと応援していました。
当時は、同時に入幕した琴欧州露鵬と並んで、個性派3人衆という感じで紹介されていました。
その頃は相撲人気が低迷しているころで、升席が一般発売されたり、いす席は当日券が出たりと、観戦のハードルが下がっていましたので、国技館にも足を運びました。
そのたびに豊ノ島の手形色紙を買っていたので、5~6枚はもっていると思います。

 

第二検査出身という小兵でありながら、胸を突き出して両差しをねらうという相撲スタイルが独特でした。
「小兵の戦い方ではない」「これでは大成しない」「もっと頭から当たるべき」という解説者の苦言を何度も聞きました。頭をつける相撲を覚えたらもっと上に行けたかもしれない、とも思います。でもそれはまた別の相撲です。
前さばきが巧みで、どんな態勢からでも両差しになれるうまさがあります。そして両差しになった時の強さは言うまでもありません。特に琴欧州との相性が良かった印象で、両差しからの下手投げで何度も転がしていました。

 

2016年7月の大けがで番付を一気に落とし、関取に戻るまで2年もかかりました。
その間に同世代の引退が続き、いつの間にか大ベテランと呼ばれるように。「ベテランの星」というような扱いを受けるのは、本人の性格に合っていないように思いますが、それでも大けがを乗り越えて土俵に上がり続ける姿は「星」のごとく輝いていました。


引退後は後進の指導にあたるとのことですが、個人的にはYoutubeをやってほしいと思います。異色の経歴、確かな実績、明るい性格、広い交友関係…、かつてはブログ力士として名をはせたこともあるのでITも問題ないはず。
向いていると思うんだけどな。

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豊ノ島引退により、私の中でひとつの時代が終わりました。
実は、10年近く前から大相撲への興味が薄れていましたが、これで完全に一区切りです。
最後に国技館に行ったのは、2012年の夏場所。このころから国技館の雰囲気は変化していました。
良い意味でのおおらかさが消え、全体的にギスギスした空気に。相撲人気が戻ってきてチケットがとりにくくなったこともあって、足が遠のいてしまっています。

 

相撲は、神事、競技、興行という3つの側面があります。かつては、この3つの面が良い感じにミックスしていて、観客を含めた関係者がそこを暗黙の裡に理解し、尊重することでバランスをとってきました。
そのバランスが近年崩れてきているように感じます。力士は競技にこだわり、協会は興行面を重視し、観客はその上に胡坐をかくようになりました。
いろいろな利害が絡む中で、いつしか神事という側面が薄れていってしまっているように思います。
特に最近は、特定の人気力士に対する一方的な声援と、ため息、ブーイング、座布団投げ・・・力士への敬意と節度を欠いた言動が目に余ります。
力士は神事をとりおこなう、神に仕える存在であり、かつ、大きな体と強い力を持っている力士は我々から見れば神に等しい存在です。
そのことを理解していれば、今の国技館の雰囲気はありえないでしょう。相撲好きには耐えられない空間になってしまいました。

 

 

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