カラフルな世界、モノクロの日常

鉄道、城、サッカーなど、自分が興味を持っていることを思うがままに書いています。yahooブログ終了に伴い、はてなブログに引越ししてきました。

TSE 引退

JR四国の特急型、2000系。
世界初の振り子式ディーゼルカーという、技術面では革新的な車両であり、
現在は予讃線土讃線高徳線と四国全土の特急列車に使用され、高速化に貢献しています。
一部車両はアンパンマン列車としてラッピングが施され人気があります。

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その試作車である、TSEの引退が発表されました。
http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2018%2002%2026%2003.pdf#search=%27TSE+%E5%BC%95%E9%80%80%27

TSEというのは、「Trans Shikoku Experimental」の略。
その名からわかる通り、元々人口が希薄であることに加えて、高速道路の延伸により苦境に陥るJR四国の命運を握る車両でした。
「制御式振り子」という技術自体は国鉄時代に開発が進んでいたものですが、TSEが実用化一番手になったのも、上記のような状況が関係しています。
そして現在も主力として活躍する2000系の量産車に礎になっただけではなく、その後にJR各社で登場した制御式振り子の車両にも生かされました。
特に気動車は、エンジンの推進軸の回転トルクの問題がネックになっていたと聞いた記憶があります。回転トルクにより車体を傾けようとする力が発生するので、その力を制御するのが難しい、と。
(エンジンをダブルにして回転が逆となるようにレイアウト、トルクを打ち消しあうようすることで解決)
その後に誕生したほかの振り子式気動車JR北海道キハ281系キハ283系JR西日本キハ187系智頭急行HOT7000系などはすべてTSEの成果に基づいて開発されましたので、
これらの車両はみなTSEの子供ということになります。

試作車で1編成しかありませんが、JR四国の車両事情から常に定期運用に入っていましたし、
しかも、最近は松山~宇和島の「宇和海」にほぼ限定して使用していましたので、
希少性のわりにはよく見かけた印象があります。

…というわけで、古い写真データをさがしてみました。
が、思いのほか見つかりません。
見かけたけど、写真にとらなかったり、すれ違っただけとかそんな感じが多かったみたいです。


まずは、2016年4月29日に松山駅で撮影したもの。
このときは駅に隣接する松山運転所の留置線にいました。

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量産車と比べると、地味な印象です。
警戒色を兼ねた黄色い部分がないことが原因でしょうか?
でも、貫通型の先頭車は量産車よりも洗練された印象も受けます。


そして、2017年12月30日の宇和島駅。

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TSEとして落成したのは3両でしたが、量産車を1両組み込んで4両で運用されていました。
時期によって3両になったり4両になったり柔軟に運用されていたみたいです。
車内設備の違いとかあって運用を固定せざるを得ないというのはネックですが、量産車とも自由に解結できるということが、20年近くにもわたって活躍できた原因かと思います。


現在JR四国では、2000系の後継車の開発をしています。
2017年には空気ばね車体傾斜式を採用した2600系が登場しました。
しかし、急曲線が連続する土讃線においては少々能力不足だったみたいで、2000系と同じ制御付き自然振子式にて新たな車両を開発するとのこと。
2020年度には置き換えると報道されています。どのような車両が登場するのでしょうか。


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